雑木と歩む庭

雑木の庭でのガーデニング記録

ブロック塀隠しのウッドフェンスDIY

経緯

隣家との境には分譲地造成時に建てたと思われる古いブロック塀が建っています。造園業者さんに庭を作ってもらう際に目隠しのフェンスを建てるかどうか悩んだのですが、最終的にはブロック塀のままで造園してもらいました。

ripense.hatenablog.comその後、庭の植栽が充実してくるにつれ、背景となるブロック塀の見た目が気になり、なんとかしたくなってきました。そこで、ブロック塀を隠すためのフェンスをDIYで建てることにしました。

ウッドフェンス制作前の南庭 2022/4/16

仕様の検討

フェンス作成に当たって考慮した仕様は下記のとおりです。

  1. 高さはブロック塀(GL+86cm)より少し高い程度 → 南側隣家は現在空き家で目線を気にする必要なし、素人DIYなので高いフェンスは避けたい
  2. フェンスの厚さは最小限 → 南庭の奥行が実質約3.6m程度しか無い
  3. なるべく安価で簡単に撤去可能 → 南側隣家が建て替わった場合には目隠しできる高さのフェンスが必要になる

フェンスの主要部材は国産で軽く安価、かつナチュラルな外観を得られる杉材としました。ここで問題になるのが柱の固定方法です。

市販のコンクリート製の基礎土台を埋めてその上に柱を立てる方法は比較的簡単そうですが、土台の分フェンスがせり出して庭が狭くなるため却下。

柱を埋めてコンクリートを流し込んで固定する手法は柔軟な施工ができそうですが、ハードウッド等の耐久性の高い材を使わないと白蟻や腐食のリスクが高いのでこれも断念(撤去も大変)。

そこで、杉角材の柱にアングル鋼を取付け、アングル鋼の部分を庭に埋めてアングル鋼の周りに砕石を突き入れて柱を立てることにしました。このような手法は本やネットで事例を確認できず不安はあったのですが、フェンスの高さが約1mと低いこと、フェンスの裏には比較的しっかりしたブロック塀があり、我が家の敷地方向以外への倒壊は想定しにくいことから、大きな問題は生じないと考えました。

材料

用意した材料は概ね下記の通りで、材料費は合計36,000円弱(一部セール品)でした。

  • 横板 杉AD材プレナー 10*85*2000 × 60枚 @2,400円弱
  • 柱 杉垂木 45*45*4000 × 16本 @550円弱
  • 柱接地部 黒皮鉄アングル t3*40*910 × 16本 @800円弱
  • ステンレス コースレッド(横板固定用) 38mm × 256本
  • ステンレス フレキ頭ビス(柱とアングルの固定用) 40mm × 64本
  • 水性防虫防腐塗料(ウォルナット色) 3L × 1缶 @5,500円弱
  • 砕石(柱基礎固め用) 25kg入 × 6袋

まず、材料をカットし水性防腐塗料を2回塗布しました。次に柱となる角材にアングル鋼(土に埋める部分)を接続します。

アングル鋼への穴開け 2023/3/19

角材へのアングル鋼接続後 2022/3/21

鋼材への穴開けは、ポンチを打った後、ミシン油を垂らしてステンレス用ドリルを用いることで問題なく進めることができました。

準備が終わったフェンス材料 2023/3/21

柱建て

植栽のある場所はGLよりも15cm程度土が盛ってあるため、杉角材を85cmの長さにカットし、天端から85mm幅の横板を20mm間隔で8枚打ち付けることにしました。

植栽の無い場所では杉角材を100cmの長さとし、同様に天端から横板を打ち付けます。

なお、アングル鋼と角材との重なりは45cmとりましたので、概ね35cm程度が土に埋まることになります。

庭の南面は2m幅のフェンス5枚と1m幅1枚で約11mの範囲を、西面は2m幅2枚で約4mの範囲をカバーすることにしました。

フェンス柱穴 2023/4/12

柱の基礎となるアングル鋼を埋めるため庭に深さ40cmほどの穴を掘ります。

できればブロック塀ギリギリに柱を建てたかったのですが、写真のようにブロック塀の基礎が2-3cmほど出っ張っているため、フェンスとの間に隙間ができてしまいました。また、基礎の出幅も場所によって違うため、フェンスの面が揃わなくなってしまいました。

柱建て 2023/4/2

水準器で垂直が出ていることを確認しつつ、砕石を角材で突き込んで柱を穴に埋めていきます。砕石の隙間を埋めるため、掘り起こした土も砕石の間に突き込んでいます。角材+アングル鋼の柱は鋼材部に水準器が磁石で付くので、この点は楽でした。

2本の柱の天端合わせ 2023/4/1

2本目の柱の少し先に角材を立て、水糸を張って天端が水平に揃うよう合わせます。

横板貼り

横板の仮止め(C型クランプ)2023/4/1

横板の仮止め(F型クランプ) 2023/4/1

クランプで仮止めしつつ横板をコースレッドで止め付けていきます。

最初はC型クランプで仮止めしていたのですが、ブロック塀と柱の隙間が狭くC型クランプが入らない場所があったため、途中からF型クランプで作業しました。

ネジだけでアゴの間隔を調整するC型クランプに比べ、大まかな調整はスライドして行い、グリップのネジを回しは最後の締め込みだけで良いF型クランプの方が圧倒的に作業が楽でした。

これからクランプを購入するなら、狭い隙間に頭が入らず、作業効率も悪いC型クランプよりF型クランプがお勧めです。

インパクトドライバーとドリルドライバー 2023/4/1

横板の止め付けはコースレッドなので通常は下穴不要でしょうが、柱(45*45mm)・横板(85mm幅)とも細いため、ドリルドライバーで下穴を開けた後、インパクトドライバーでビスを打ち込みました。ビス打ちの場所が節に当たった場合、下穴があっても節が堅いためコースレッドをねじ切ってしまった箇所もありました。

今回、近くのホームセンターの閉店セールに合わせて材料を購入したため、トルク調整機能付ドリルドライバーもセール価格で追加購入しました。インパクトドライバーとの2台持ちは贅沢とも思いましたが、下穴開けとビス打ちでビット交換せずに連続して作業できるのでドリルドライバー購入は正解でした。

なお、敷地がさほど広くなく、使用頻度もあまり高くないため、電動工具はバッテリー式ではなく、安価でバッテリー管理が不要なコード式を使っていますが、私の使い方ではコード式で十分と感じています。

1枚目のフェンス完成 2023/4/1

横板が安価なHCの杉材だったので、かなり反りがある板も混ざっていました。なるべくフェンス上部にまっすぐな板を使い、目立たない下の方に曲がった材を使いましたが、見ての通り下の方はかなり歪んでいます。

完成

フェンス1枚を建てるのに穴掘り、柱建て(砕石突き固め)、横板打ちとそれなりに工程があり、1人での作業では1枚/半日、休日1日で2枚の作成が限度でした。

南面のウッドフェンス(庭奥から) 2023/4/9

西面のウッドフェンス 2023/5/4

通常のウッドフェンスの造りは、同じ柱に両側から横板を打ち付けて接続する形が多いと思います。今回は柱が細いため、1本の柱に両側から横板を打つと材割れリスクが高いこと、フェンスを一体化すると強風時に全体が倒壊するリスクも高くなることから、2mまたは1m幅のフェンスがそれぞれ独立する造りとしました。

柱は細いアングルを砕石で突き固めただけなので、手で揺すると多少ぐらぐらしますが、重心は低く、台風などで全体が飛んでいくことは無いと思います。

南面のウッドフェンス(庭入口から) 2023/4/9

フェンス1枚1枚が独立した造りで、ブロック塀基礎の幅もまちまちだったため、ご覧の通り横から見るとフェンスの面がズレズレです。

なるべくブロック塀からの突出を抑えたかったフェンスの前面は、ブロック塀から概ね10cm程度の出で収まりました。

フェンスの仕上がり高さはGL+113cm程度(ブロック塀天端+28cm程度)です。

室内から見たウッドフェンス 2023/4/12

横板の間隔は2cmですが、後ろのブロック塀が陰になるため、太陽高度が高くてブロック塀に直射日光が当たる時間帯を除いて、隙間から見えるブロック塀が気になることはありません。横板に隙間を設けたことで後ろの透かしブロック穴からの通風も多少は期待できると思います。

南面の庭 2023/6/10
PENTAX K-3 Mark III / smc PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited (f11, 1/125, ISO200)

材料の調達を始めたのが2022年12月下旬でした。本当は草花の芽出しが始まる4月までに完成させたかったのですが、週末に突発的な用事が入ったりして何度か中断を挟み、最終的な完成は2023年5月上旬となりました。

フェンスの面が揃わなかったり、横板の反りがあったりで、粗はありますが、背景がすっきりしたことで植栽が引き立つようになったと思います。

今回のフェンスの造りは、後ろに比較的しっかりしたブロック塀が控えており、高さ1m弱のブロック塀を目隠しすることが目的、長期使用を考えていない(5年持てば御の字)という限定された条件が前提です。同じ構造を採用される方はまずいないとは思いますが、参考にされる際には十分なご検討をお願いします。