前回の記事で島根県高津川水系を訪れた話を書きましたが、実はキシツツジの花を撮影するためだけでなく、ヤマイバラも探していました。
昨年山口県中部の山奥でヤマイバラの自生地を見つけたのですが、その時には花を見ることが出来ず、今年こそはヤマイバラの花を見たいと思っていたのです。
この日、高津川中流域ではキシツツジの花は終わりかけだったため、盛りの花を求めて支流の川上に車を走らせました。昨年見つけたヤマイバラ自生地も標高450mぐらいの沢沿いにあったので、上手くいけば両方の目的を達成できるかもと・・・。
しかし、私が向かった支流は上流域ではありましたが、キシツツジが好む岩場が少ない渓相でキシツツジは見つからず、ヤマイバラも発見することは出来ませんでした。
仕方なく川を下って撮影したのが、前回投稿したキシツツジの写真です。
その撮影場所のすぐ近くには、ノイバラがたわわに咲いていました。
そこから少し下り、川が岩に当たってカーブする景色の良い場所でキシツツジと川の風景を狙ったのですが、この場所のキシツツジは殆ど終わっていました。せめて川の景観だけでも押さえておこうと、歩道のある小高い岩に上って写真を撮りました。
すると足元に見覚えのある赤い新芽のシュートが生えているではありませんか。
小葉2対の奇数羽根状複葉(5枚葉)で、頂小葉の先は長く伸びています。また、葉には光沢があり、大きく鉤状に曲がったトゲも特徴的です。これはヤマイバラに間違いありません。すぐ近くでもう一本、この株より少し大きいシュートを見つけました。
昨年、ヤマイバラを観察した際には、多数の若い株の近くに大株が生えていました。この経験から、若い株があれば、その親であろう大きな株も近くにあるはずだと睨みました。
しかし、この日はあまり時間が無く、花を咲かせそうな大株を見つけることは出来ませんでした。
その2に続きます。